厳顔と張任
厳顔というと、張飛の脅しに毅然とした態度で臨み、張飛の歓心を買って解放され、以後蜀に仕えた。
と思っていた。
しかし原文を読むと、張飛に賓客として遇されたとは書いてあるが
蜀に仕えたなんて一言も書いてない。というか以降の記述がない。
演義では厳顔が仕官しており、その経緯は美談とされているが、
よく考えるとこれは美談でもなんでもない。
厳顔「侵略してきた奴なんぞに降伏する奴はおらん。殺せ!」
張飛「見どころあるじゃん。解放しよう。」
厳顔「そうか、じゃあ降伏する。」
という一瞬で変節するおっさんのお話なのである。
もちろん、張飛の態度に感服して仕官を決めた、と考えれば許せなくはないが
これを許してしまうと、いくら説得されても仕官を頑なに拒絶し、忠義を貫いたことで美談とされている張任の逸話の価値が下がってしまう。