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namuiru's diary

自分の思考を整理しておくためのブログ。普通からずれていることは理解している。たまには良い事を書いているかもしれない。

間違いだらけの論理の常識

論理を語る上で、根拠のどこかで矛盾が存在していた場合、それ以降の言い分は全て正当性を失うし、ただ一つでも反例が存在するならば、その主張はどうあっても否定されなければならない。

これが分からない人が非常に多いと感じる。

 

悪い例として、こんな動画を見つけた。

桑田真澄の『間違いだらけの野球の常識』 - YouTube

ヘッドスライディングに関する部分である。

 

“さらにもう一つ、桑田さんが無駄だというのが、この一塁へのヘッドスライディング。そこで、ヘッドスライディングは本当に速いのかを実験。”

 

した結果、ヘッドスライディングの方が速いという結果が出た。

この時点で、ヘッドスライディングは無駄だという論理は破綻している。

にもかかわらず、そのままテーマを継続し、ケガをする危険性が高いため禁止、という実験となんの関係もない論理を展開している。

論理破綻にすり替え。最悪な例である。

 

さらにそのヘッドスライディングの危険性についても、ひどい展開になっている。

“僕はしない方がいいと思います。なぜなら、あの世界の盗塁王福本さん、今でいうとイチロー君、ヘッドスライディング見たことないでしょ。ないですよね。で、今三年連続パリーグ盗塁王を獲得してる西武の片岡選手にも、話を聞いてみましたので、どうぞ。”

それに対する片岡選手の反応

“ヘッドスライディングをして、ケガをした経験もあるので、それからはあまりしていないです。”

 

桑田は持論の根拠として、福本選手もイチロー選手もヘッドスライディングをしていないことを挙げている。さらに主張の補強として、西武の片岡選手の意見を加えている。

ところが、片岡選手はあくまで「あまりしていない」であって、「見たことない」前述の二人とは異なり、全面禁止しているわけではない。

それどころか、ケガをする以前は多用していた、ということさえ読み取れる。

 

同列に挙げられたはずの福本選手・イチロー選手の両名と、片岡選手とで矛盾している以上、これは意味のある根拠にはならない。

よって、これを根拠としている桑田の主張は否定されなければならない。

 

細かいと感じる人も多いだろうが、論理とは本来そういうものである。

なおも主張したいのであれば、矛盾しない範囲で論理を展開すればよい。

この例であれば、ケガの危険性が高いという事実は否定されておらず、片岡選手による追認もある。

なので、今回主張できるのは

「ヘッドスライディングはあまり推奨されない。なぜならケガの危険性が高いためである。その根拠として、盗塁王片岡選手の意見がある。」

ということまでである。

 

この例における過ちは、ヘッドスライディングは無駄だとか、盗塁王はみんなヘッドスライディングをしないとか、余計なことを主張してみずから論理破綻を招いていることであり、さらにその破綻を無視していることである。

野球の常識よりも、論理の常識を知る方がよっぽど大切ではないか。