2位でもダメじゃないんです
以前「2位じゃダメなんでしょうか?」という発言が世間を騒がした。
仕分けが正しいか否かという議論は置くとして、スパコンの範疇においては、2位でも別に構わない。
「スポーツ選手に2位じゃダメなのかと言えるのか」みたいな批判があったが
勝負がすべての世界と、普遍的ツールのスパコンを比べるなんて論外である。
スパコンなんて、速くしたけりゃ金とエネルギーのコストパフォーマンスを無視して、巨大化すればいくらでも速くなる。
(ちなみに、京は他のスパコンに比べてコスパが非常に悪い)
一方で、それを建設中にもさらに技術が発展するので、後から作られたものにすぐ抜かれることになる。
1位に拘るだけ無駄というものだ。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130824-OYT1T00743.htm?from=ylist
こんなニュースを見つけた。
間違った形で、京がすごいんだと誤解されそうだ、というか既にされている。
この程度のことがニュースになっているのがその証拠だ。
時間がかかり、コスパが悪いので行わなかった計算を
前より速いスパコンが導入されたから、やってみた、というそれだけの話。
私は専門家ではないので推測でしかないが、ある決まった条件を満たす物質を、総当たりで探した程度のことだと思われる。
京の成果であることは間違いなく、京が優れたスパコンであるおかげだが
より速い装置が導入されたことで、新しい発見がされる、のは当たり前である。
「世界1位の京」でしか成し得ない業績でもなんでもない、日常的な研究史の1ページにすぎない。
1位か2位かなんて、何の関係もない。
もし京の性能が半分だったとしても、近い成果を得られただろう。
ちなみに、今の京の順位は、4位だ。
1位は中国の「天河2号」。性能は京の4~5倍、消費電力は1.5倍である。
今後は王者アメリカと、アホみたいに地力のある中国が、1位の座を争うことになるのではなかろうか。