印象操作
韓国船沈没、5年前に日本で類似事故 乗客避難対応に差
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140422-00000006-asahi-soci
韓国船の沈没に際しては、報道を見る限り対応が非常にまずかったことは間違いない。
日本の事例では全うな対処がなされていたようだし、それは大いに見習って欲しい。
ところで上記事内において、日本船の事故であるありあけ号座礁と、今回の韓国船セウォル号の沈没が類似事故として扱われているが、それがどうしても納得できない。
全て同記事からの情報だが、ありあけ号の乗客は7人、乗務員は21人である。
そしてありあけ号は沈没ではなく座礁だという。
これと、400人を超える乗員を抱え、沈没したセウォル号の事故を、類似事故として比較して良いものだろうか。
セウォル号の乗務員が何人かはわからなかったが、100人を超えることなどないだろう。
事故となれば乗務員一人あたり、数人から十数人を捌く必要があったということになる。
一方でありあけ号では、乗客は乗務員の1/3だ。3人で一人を助ければ良い。
人数が少ないので、管理も意思疎通も非常に楽だ。
避難中に渋滞することもなければ、非常用設備が足りなくなることもない。
そしてなにより、ありあけ号のケースは、座礁である。沈没ではない。
沈没さえしなければ、救助のヘリが来るまで待っていればほぼ無条件で助かる。
食料が足りないことはないだろうし、足りなかったとしても、救助が来るまでの1,2日程度食べないくらいで死ぬことはない。
今回の韓国船のような対応では、ありあけ号程度の事故でも死人が出たかもしれないし、日本でセウォル号のような事故があれば、もっと死傷者を抑えることができたかもしれない。
しかしそれとこれとは話は別だ。
ありあけ号とセウォル号の状況はあまりにも違いすぎる。
仮にも比較して良いケースではない。
mixiというSNSにおいて、同記事の見出しは以下のように改変されていた。
”船沈没 日本の類似事故は死者0”
許しがたき印象操作であろう。