歌詞についてうんぬん
私には音楽のセンスがない.
楽器の演奏も歌うのもまるで駄目,作詩作曲なんてしたことがない.
というか曲についての基本的な知識すらない.
以下の内容を簡単に言えば
そんな人間がある歌の詞に難癖をつけるというものです.
不快に感じる人はご覧にならないことをお勧めします.
ちなみに作者に迷惑がかかる可能性が100%否定しきれないので,特定できないように歌詞の引用では微妙に改変しています.
先に記しておきますが,私の言いたいことは,
かっこよさそうなフレーズを連ねただけの,テーマもストーリーもよくわからない歌詞が嫌いだ.
曲の風情に心情を載せた,ある種率直な語りの歌詞や
言葉言葉に存在理由が明確で,難しいながらも咀嚼すると味が出る歌詞が好き
という個人的な趣味の主張?です.
あるところで,非常に高く評価されている曲があったので,聴いた.
作ったのはおそらくアマチュアの方であろうが,歌は上手いし,曲はかっこよかった.
しかし歌詞が気に入らない.
作者の名誉のためにということで,具体的には伏せますが,テーマは桜と恋.
作者によると「浮足立つ心と生命の躍動を表現」したそうだ.
まずこのコメントの「浮足立つ」という誤用が個人的に残念で仕方ない.
そして,躍動感も曲からは十分に感じ取れるが,歌詞からは感じられない.
歌詞を転載していないので,説得力はないが.
さて,曲調は琴か何かを使用して和風な雰囲気を出しつつ
基本はギターとドラムががっつりなアップテンポ.
しかしサビから歌詞の出だしは
「春の言葉は儚げ」である.曲が全く儚げでないのだが,それはいいのだろうか.
それに続いて,「心をつづって風に乗せる」である.
しかし後のCメロ部分では「言葉にできず,涙こらえる」となっている.
さっき乗せたのではなかったか.
ちなみにサビでまたもや風に乗せている.個人的に,似た言葉が繰り返されるのはあまり好きではない.
「花は風に吹き落とされ 雪のごとく白に染める」
花と書いてあるが,タイトルが桜でなので,花=桜で間違いない.
となると,雪のごとくはまだしも,白く染めるのは大問題である.
比喩や概念なんだからいいだろうという考え方もできるが,
他の箇所で「桜色」とか,「桜の空」とかあるので,ここで白という表現は良くないはずだ.
歌詞の最終ブロックでは,「桜に乗せた心,高く飛べ」とある.
私の思想からして,桜は散り落ちるものであり,上の歌詞でも同様の表現がある.
そこに乗せた心に高く飛べと願うのは無理というものだ.これもまた矛盾.
細かいことだが
とにかく似た表現が連続して出てくる箇所が非常に多いことや
視覚的な表現ばかりであったのに,歌詞の一番最後に突然「春の香りを乗せて」と出てくることもしっくりこない.
歌詞は最初から最後までこれでもかというほど,思いを乗せまくっているのだが,
なぜかCメロだけ「言葉にできず 涙こらえる 抑えられずに 月の夜を駆ける」になっている.
なぜいきなり泣きそうな場面に変わったのか,流れが繋がっていない.
すでに述べた通り歌詞が繋がっていないので,当然ではあるが.
以上,私の偏った融通の利かない感性を元に,ケチをつけた.
断っておくと,私はこの作者に恨みがあるわけではない.
普段からプロの曲を含め,色々と個人的な不満を募らせていたが
たまたまこの曲を聞いた時に,その思いが爆発してしまった.
芸術を何も知らない人間が言えたことではないが
曲がかっこいいからといって,歌詞を度外視したり
個々の詞にかっこいい言葉を使って,歌詞のテーマに矛盾したり
やけに浮いていたり,存在理由がないような文言を含みまくっている曲が
あまりにも多すぎるのではないだろうか.